17-a

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薄暗い。光量自体が不足いている。
だから、コントラスト(明暗)が弱く、
色の鮮やかさにも欠ける。
輪郭や模様が多少ぼやけた感じに見える。

こうした風景は、曇り日の冬だ。
外の世界の、見るもの触れるものすべてに、
鮮やかさといったものがなく、
物体表面、特に植物に潤いと光沢がない。
世界が閉じて固定してしまったような感じだ。
外に向かって、出ようとするのではなくて、
反対に、陰にこもったような、
沈んで潜ってしまった様な感じだ。

この画像は、もう少し穏やかな感じだが、
それは空気の色で判断される。
この画像を支配する空気の色が、
寒色(青)というよりも暖色(オレンジ)に近い。
寒々とした、引き締まった感じがなく、
むしろ緩んだ穏やかな感じである。
かといって、開放的であけっぴろげな、
空気の熱と潤いに押し出された、
夏の日の、炎のような情熱もない。

冬の、小春日和の夕方といったところだろうか。
冬には、夕焼けは現れない。
日は沈みかけて光の量が不足しているのだが、
日中に暖められた空気が暖かいのだ。
それが空気の色温度に反映されている。
でも早朝ではない。
早朝の空気の色(色温度)は青いのだ。
深夜の冷えた空気は冷たく、
これから気温が上昇しはじめるのだ。
だから空気は、清々(すがすが)しく爽やかである。





17-b

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実際に、明るくして見る。
明るくなったが、もっとぼやけてしまった。
確かに曇り日の冬の風景みたいだ。




17-c




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明るくして、
明るくした領域までコントラスト(明暗)をひろげる。
見やすく明瞭だ。
17-d
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表面の微細部分を、少しぼかす。
表面の凹凸が消える。
効果的には、直接光を減らし、
間接光を増やした場合と似ている。
photoshop/フィルタ/ボカシ(表面)で、
半径を最小にして、
画面全体の微細部分にのみ「ボカシ」をする。